バックテスト

ある選び方で過去に銘柄を選んでいたら、そのあとどうなっていたか。効かなかった年も隠さず開示します。

このページは「どうやって銘柄選びを過去データで検証しているか」の説明書です。①アプリの実際の並び順(総合点)/②各投資ファクター(保守度・PER割安 等)/③テーマ読みを、 すべて同じ物差し(ウォークフォワード)で検証した結果を載せています。ファクターごとの詳細は各投資ファクター詳細でも確認できます。

検証はデータの揃う全期間(2021年6月〜直近)を対象にしています。答え合わせには保有期間(約3ヶ月)ぶんの 時間が要るため、直近の数ヶ月ぶんは「判定待ち」で、まだ結果に含まれません(新しい月の答えが出るたびに裏側で足していきます)。

やり方(ウォークフォワード検証)

過去のカレンダーを1か月ずつ進めながら、各時点で次の4ステップをくり返します。

  1. 1その時点の情報だけを使う評価日までに開示・確定した数字だけ。あとで出た決算や値動きは一切見ない(カンニング防止=ポイントインタイム)。
  2. 2全銘柄からスコア上位グループを選ぶ検証する指標(保守度スコアなど)で全上場銘柄を高い順に並べ、上位20%(上位1/5)を『選んだ銘柄』とする。人の勘でなく数字で自動。効き方の確認用に10グループ(デシル)全部の成績も記録。
  3. 3一定期間だけ待つ答え合わせのため約3か月(60営業日)保有したと仮定して待つ。
  4. 4答え合わせ待った後の実際の値動きで、上位群の平均リターン − 市場全体の平均=その回の勝ち幅(地合いで上がった分を除いた『選び方だけの効き』)。

図:毎月ずらして「選ぶ→待つ→答え合わせ」をくり返す

2021-06
待つ 約3か月
2021-09
2021-07
待つ 約3か月
2021-10
2021-08
待つ 約3か月
2021-11
2021-09
待つ 約3か月
2021-12
…毎月ずらして答え合わせが済む直近の月までくり返す
平均各回の「上位群(スコア上位20%)− 市場平均」(=勝ち幅)を全部平均したものが、ページの数字です。効かない回もそのまま含めます。
評価日(その時点の情報だけで選ぶ)待つ(保有)答え合わせ(実際の値動き)

「検証回数」ってどういう意味?

上のやり方を、評価日を 2021年6月 → 7月 → …1か月ずつずらしてくり返した回数です (1か月あたりの回数ではありません)。データ開始の2021年6月から、答え合わせが済む直近の月まで、毎月1回。

なぜ丸5年ぶんちょうどではない? ①価格データの開始が2021年6月で、ちょうど5年前が起点ではないため。 ②答え合わせに約3か月かかるので、直近の数か月は結果が出そろっておらず、まだ評価日にできないためです(判定が済み次第うしろへ足していきます)。

これは過去検証(バックテスト)であり、ライブ運用実績ではありません。 手数料・スリッページ・約定可能性は未考慮。過去の成績は将来の結果を保証しません。

検証期間
2021-062026-06
最終検証(答え合わせ)
2026-06
検証した月数
59か月(毎月1回)

各月の評価日に選び、約3ヶ月後の値動きで「答え合わせ」。上の期間は最初の評価日から最後の答え合わせまで。23,862件を採点。

結論

この検証でわかったこと

  • ・アプリ既定の並び=総合点の上位10%は市場平均より +3.3pt 良く、絞るほど勝ち幅が伸びた(上位3%が最良)=合成スコアには実用的な選別力があった。
  • ・持つほど差が開き、11.9ヶ月保有で勝ち幅は最大 +3.0pt短期売買より「じっくり待つ」ほうが効いた
  • ・ただし年により効き方が違い、6年中5はプラス、 最も悪い 2022-0.7pt効かない年もある(暴落保護ではない)
  • ・配合(重み)の調整は「あとから確かめた期間」で改善せず(-0.1pt)=過学習を避けて現状の配合を据え置いている

総合点(アプリの実際の並び順)は効いたか?

アプリが銘柄を並べるのは保守度スコア単体ではなく、保守度・PER割安・PBR割安を検証済みの効きで合成した「総合点」です。この実際の並び順で上位グループを選んでいたら、約3ヶ月後どうなったか(市場平均は 2.0%)。

総合点 上位10%各グループ
総合点約3ヶ月後の平均
D101
0.9%
D2110
-0.5%
D31018
1.9%
D41824
1.2%
D52428
2.2%
D62835
2.3%
D73543
2.7%
D84351
2.3%
D95162
3.3%
D106294
5.3%

総合点 上位10%の約3ヶ月後の平均は 5.3%、 市場平均より +3.3pt 良い=保守度スコア単体(下の +1.3pt)より明確に強い選別力がありました。

絞り込み銘柄数上位群の伸び勝ち幅(市場比)
上位20%45614.3%+2.3pt
上位10%22805.3%+3.3pt
上位5%11406.3%+4.3pt
上位3%最良6846.6%+4.5pt

注目:総合点では絞るほど勝ち幅が伸び、上位3%が最良でした。 これは保守度スコア単体(下の「どこまで絞るのが良い?」では上位10%がピークで上位3%は失速)とは逆の性質です。 複数のものさしを合成した総合点のほうが、強く絞っても選別力が保たれる=より頑健、と読めます(過去検証・将来を保証しません)。

参考:保守度スコア単体では効いたか?

スコアで10グループに分け、それぞれの約3ヶ月後の平均を測りました(ぜんぶ買った場合の平均は 2.0%)。上のグループほど棒が長ければ「スコアに意味があった」ということ。過去の事実であり、売買の合図ではありません。

上位10%(D10)各グループ
スコア範囲約3ヶ月後の平均
D100
1.0%
D200
2.7%
D304
0.5%
D448
2.1%
D5820
1.7%
D62042
2.1%
D74254
1.6%
D85460
3.2%
D96067
3.3%
D106796
3.4%

スコア上位10%のグループ(D10)の平均は 3.4%。 全体の平均より +1.3pt 良い結果でした。

どこまで絞るのが良い?(厳選度別)

上位◯%だけを選んだときの成績。『市場全体の平均』『上位群の実際の伸び』『その差=勝ち幅』を並べました。狭く絞るほど強いとは限らないことを実データで確認できます。

市場全体の平均(ぜんぶ買った場合・約3ヶ月)2.0%
絞り込み銘柄数上位群の伸び勝ち幅(市場比)
上位20%45613.3%+1.3pt
上位10%22803.4%+1.4pt
上位5%最良11403.6%+1.5pt
上位3%6841.9%-0.1pt

この指標では上位5%あたりが最も勝ち幅が大きく、そこからさらに絞っても(例:上位3%)勝ち幅は伸びず、むしろ小さくなりました。 「狭く厳選=必ず強い」ではなく、絞りすぎると銘柄数が減ってブレやすくなる(=一番尖ったスコアが必ずしも一番効くわけではない)ことを示しています。

どれくらい持つと差が出るか

答え合わせまでの期間を延ばすほど差が広がる=この選び方は「じっくり待つほど」効いてきた、という過去の事実です。

1ヶ月20日)
+0.1pt
2.9ヶ月60日)
+0.7pt
5.7ヶ月120日)
+1.8pt
11.9ヶ月250日)
+3.0pt

年ごとの成績(効かない年もある)

プラス=その年はスコアの高いグループが全体の平均を上回った。急落局面(2022)は反転=これは銘柄選別の眼であって暴落保護ではありません。

上回った年下回った年
2021
+0.7pt
2022
-0.7pt
2023
+1.8pt
2024
+1.5pt
2025
+5.1pt
2026
+1.3pt

配合(=材料の混ぜ方)を調整すれば、もっと良くなる?

スコアは複数の材料(決算のサプライズ・連続性・割安さ 等)を混ぜて作ります。その混ぜ方=配合。「配合を過去に合わせて最適化すれば、もっと当たるのでは?」を検証しました。

  1. 1前半だけで最適化2024-06-01 より前のデータだけを見て、「一番成績が良くなる配合」を探す。
  2. 2後半で一度だけ試す見つけた配合を、まだ見ていない後半のデータで一度だけ採点する(初見テスト)。
  3. 3改善したかで判定後半で良くなれば本物。後半で良くならなければ「過去に合わせすぎ(過学習)」=採用しない。
配合前半(最適化に使用)後半(初見・決め手)
いまの配合サービスで使用中+0.2pt+1.5pt
調整した配合前半で最適化した実験版+2.1pt+1.3pt
結論:調整版は「前半」では良く見えたのに「後半(初見)」では改善せず(-0.1pt)=過学習でした。 過去に合わせただけの見せかけなので採用せず、いまの配合のままにしています。スコアの効きは控えめ・相場局面に依存する、というのが正直な現状です。

ファクター別の効き(保有半年・小型)

保守度スコアだけでなく、各投資ファクターの勝ち幅を同じ物差し(市場ベータを除いた超過リターン)で比べた上位です。各行をタップすると詳細ページへ。

投資ファクターの一覧をすべて見る →

読むときの注意

  • コホート 59 本・期間 59ヶ月(2021-06-14〜2026-04-01)の walk-forward。同月内は銘柄横断で相関=実効サンプルは本数より小さい(方向確認)
  • ここは未較正スコアの素の予測力(プール集計)。重み較正と in/out 検証は /backtest/calibration 参照
  • ユニバース eligible は現在時価総額由来(過去時点版は未対応)
  • 廃止銘柄の horizon 内消滅で exit 価格が stale 化し得る(生存者バイアス・別タスク)

これはバックテスト(過去検証)であり、ライブ運用実績ではありません。手数料・スリッページ・約定可能性は未考慮。過去の成績は将来の結果を保証しません。

テーマ読みの検証も同じやり方です

「急騰した大型株と事業が近い小型株を拾う」テーマ読みも、同じウォークフォワードで検証しています。 伸び率帯×近さでどんな銘柄で効いたかまでの結果はテーマ読みのファクター詳細へ。

測り方(この数字の作り方)

なぜ「後出し」ではないか

「過去の勝った銘柄を後から選んだ」のではなく、「その時点で◯◯な状態だった銘柄が、その後あがりやすかったか」を測っています。 そのために3つのルールを守っています。

  1. 1判定はその時点で手に入った情報だけ例:2025年1月の判定に、その後に出た決算は使いません(未来をのぞき見しない)。
  2. 2答え合わせは判定の「後」の値動きだけ結果を判定に混ぜません。
  3. 3市場全体の上下を月ごとに差し引く地合いで上がっただけ、を除きます。

ただしこれは過去そうだった傾向であって、未来の保証ではありません。 時期によっては効かないこともあります(例:2022年の急落)。 本当の確認は、これから実際に動かして当たるかどうかです。

マクロの歴史(相場局面と効き方)

株価は会社の中身だけでなく、金利などのマクロ環境で大きく流れが変わります。金融政策・相場史の流れと、 各局面でどの投資ファクターが効いたかを、過去データの実測で並べました。 検証は2021年06月2026年06月

金融緩和・低金利の時代

〜2021年
  • 日銀:マイナス金利+YCCを継続
  • コロナ後の世界的な金融緩和
  • 高PER・成長株に資金が集中

日本銀行はマイナス金利政策とイールドカーブ・コントロール(YCC=長期金利を低く抑える枠組み)を継続。コロナ禍(2020)後は世界的にも大規模な金融緩和が広がり、超低金利マネーが株式に流入しました。金利が低いと将来利益の割引率が下がり、利益がまだ小さくても期待の大きい高PERの成長株が買われやすくなります。相対的に、割安(バリュー)株は出遅れやすい局面でした。

世界的インフレと利上げ

2022〜2023年
  • 米FRBが急速に利上げ(世界的インフレ)
  • 高PER成長株が調整、バリューが相対的に優位
  • 日銀:YCCを段階的に柔軟化

米FRBが記録的なペースで利上げし、世界的なインフレと金利上昇が進みました。割引率の上昇で高PERの成長株が大きく調整する一方、利益や資産に裏付けのある割安(バリュー)株・高配当株が相対的に見直されました。日銀もYCCの運用を段階的に柔軟化し、長期金利の上限を引き上げ。『金利のある世界』への転換点です。

この局面で効いたファクター(小型・年平均の勝ち幅・上位)

金融正常化・金利高止まり

2024年〜
  • 日銀:マイナス金利を解除(2024年3月)
  • 『金利のある世界』へ金融正常化
  • 割安×クオリティの両立が問われる

日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、金融正常化に踏み出しました。金利が『ある』前提の相場では、単に安いだけでなく、稼ぐ力(クオリティ)を伴う割安や、実力で業績を上振れさせる会社が問われます。当サービスの実測でも、この局面では保守度・割安・クオリティの重ね合わせが安定して効きました。

この局面で効いたファクター(小型・年平均の勝ち幅・上位)

金利環境は年で区切った近似です(〜2021 低金利/2022〜2023 利上げ/2024〜 高止まり)。史実は一般的な金融史の要約、 効きの数値はコードが計算した過去検証(バックテスト)の実測です。将来の成果を保証するものではなく、売買の推奨でもありません。

本情報は投資判断の参考であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。